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​フェンシング競技の基礎知識

 フェンシングの原型は中世ヨーロッパの騎士たちによる剣術であるとされて、19世紀の末にはヨーロッパ各地で盛んに競技として行われるようになりました。フルーレ、エペ、サーブルの三種目があり、ピストと呼ばれる試合コート(幅1.8〜2m、長さ18m)で選手が向かい合って1対1で剣による突き、斬りで勝負します。剣によってフルーレ、エペ、サーブルの3種目があり、使用する剣・ルールがそれぞれ異なります。

フルーレ

胴体部分が有効面となっており突くとポイントが入ります。

フルーレは「攻撃権」を尊重する種目です。剣を持って向かい合った両選手のうち、先に腕を伸ばし剣先を相手に向けた方に「攻撃権」が生じます。相手がその剣を払ったり叩いたりして向けられた剣先を逸らせる、間合いを切って逃げ切るなどすると、「攻撃権」が消滅し、逆に相手が「攻撃権(すなわち反撃の権利)」を得ることになります。

このように、攻撃―防御―反撃―再反撃といった瞬時の技と動作の応酬(剣のやりとり)がこの種目の見どころになっています。

エペ

 エペの基本ルールは単純明快。全身すべてが有効面で、先に突いた方にポイントが入り、両者同時に突いた場合は双方のポイントとなります。ランプの点灯に注目していればどちらの選手がポイントを挙げたか判断できるので、最もわかりやすい種目と言えます。前腕を狙っての攻防から一転、つま先への意表を突く攻め、あるいは機を見て思い切った接近戦に持ち込むなど、スピーディかつ変化に富んだ試合展開が見どころとなります。

サーブル

有効面は腰から頭まで上半身すべてです。

ハンガリー騎兵隊の剣技から競技化した種目であり、フルーレとエペが「突き」だけの競技であるのに対し、サーブルには「斬り(カット)」と「突き」があります。ルールはフルーレと同様「攻撃権」に基づいていますが、「斬り」の技が加わる分、よりダイナミックな攻防が見られます。

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